チクソトロピー
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2016年9月18日 (日) 20:32時点における最新版
粘度に時間依存性があること。
つまり、同一サンプルを同一条件で粘度測定した場合に、
”いつ測定する か”
というパラメーターにより、粘度値が異なることをいう。
このいつ測定するかという表現に含まれるのがせん断の履歴であるが、実存の試料では長い時間をかけて粘度値が変化することもあり
(せん断をかけ続ければ粘度が減少しつづけ、静置しておくと長時間粘度が回復していく)、
厳密にチクソトロピー性流体の 粘度を一義的に決定することは不可能なこともある。
ただ、せん断の履歴は測定機側の条件で簡単にそろえることができるので、ある条件のもとの粘度という形で粘度測定を行えば問題ない。
チキソトロピー(チクソトロピー)とは、かき混ぜたり、振り混ぜたりすることにより、力を加えることで、粘度が下がる現象をいいます。
これだけでは、擬塑性流体との違いがわかりません。
どう違うのでしょうか?
かき混ぜることによって、粘度が低下するという点では、擬塑性流体もチキソトロピーも同じことのように思えます。
2つの大きな違いは、与える力だけでなく、時間経過に伴い粘度が変化するか、しないかというところです。
チキソトロピーを示す流体は、一定の力をかけ続けることで粘度が下がったり、下がった粘度がある一定時間放置したりすると元に戻ったりします。
そしてこのような性質を持つものを、「チキソ性がある」とか「チキソが強い」と表現します。
身近なものでチキソトロピーの性質を応用しているのが、ペンキなどの塗料になります。
ペンキは、かき混ぜることにより、粘度が下がって塗りやすい状態となり、ハケやローラーで壁に容易に塗ることができます。
ペンキを塗る前によくかき混ぜるというのは、単に色ムラをなくすだけでなく、チキソ性を引き出す作業でもあったのです。
さらに、壁に塗られたペンキは直後に粘度が上がり(元に戻り)、垂れない状態となって乾燥します。
これもチキソトロピーの性質です。
「塗りやすく、垂れにくい」そんな理想的なペンキは、チキソトロピーをうまく利用しているのです